ここまでの登場人物
高御産巣日神…2番目に現れた神で、造化三神のうちの1柱。高天の原の最高司令官。
天照大御神…伊邪那岐命の左目から生まれた神で、高天の原を高御産巣日神とともに指揮する。
少名比古那神…小さな神で、大国主神とともに国づくりを進める。
天の宇受売…天照大御神の岩戸隠れの際に活躍した女神。
前回までのあらすじ
大国主神は少名比古那神(すくなひこな)と2人で国造りを始めましたが、突然少名比古那神は常世の国に行ってしまいます。途方に暮れる大国主神でしたが、海を照らしてやってくる大物主神と出会います。この出会いをきっかけに見事国造りな偉業を達成するのでした。
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国譲り
大国主神が葦原中国を統一した そんな時、
高天の原では高御産巣日神と天照大御神が八百万(やおよろず)の神を集め、会議が行っていました。
会議の内容は、葦原中国の平定が終わったから天降って治めようというもので、
誰が天降るかが会議されていました。
メモ
八百万の神とは、万物に神が宿るとする日本古来の考え方から導かれる思想で、たくさんの神ということを表します。

彼は天照大御神の第二子で、葦原中国に向かわされましたが、3年経っても帰ってきません。

しかし、天の若日子は大国主命の娘 下照比売(したでるひめ)を妻とし8年経っても帰ってきませんでした。
自由なメモ
余談ですが、天の若日子はかなりのイケメンらしいです。

天の若日子は派遣されてきたキジを弓矢で撃ち殺してしまいました!!
メモ
「雉の頓使(きじのひたづかい:行ったっきり帰ってこない使い)」という ことわざがこの出来事から生まれたとされています。
キジの体を射た矢はそのまま高天の原まで飛んでいってしまいました。
高天の原まで届いた矢を見た高御産巣日神は、

そう言って放たれた矢は、天の若日子に当たり、天の若日子は死んでしまいました。
メモ
これも先日の記事にも出てきた誓約(うけい)の一種です。この先も何度も出てきますので、わからない方はvol.3をご覧ください

建御雷之男神が交渉へ向かうと

と言いました。
あれ、意外とあっさり。
そこで、まず八重事代主神(やえことしろぬし)の下へ向かいました。かくかくしかじか事情を説明すると、
「なるほど、おっけー!!!」
っっって!!物分かり良すぎないか!!!
次に建御名方神(たけみなかた)に聞きに行くと
「それはだめ!!そんなこと言うんなら力比べで勝負だ!!!」
自由なメモ
この力比べが相撲の起源と言われています
ボコボコボコボコボコボコ……
建御名方神はあっさり負けてしまい、しぶしぶOKを出しました。
メモ
前任の2人と違い交渉がうまく行ったのは建御雷神が武神であったからだとされています。
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天孫降臨
葦原中国との交渉に成功した後、
高天の原の高御産巣日神と天照大御神は、
葦原中国の新しい統治者として誰を派遣するか相談を始めます。

せっかく選ばれた天の忍穂耳命ですが、
「いやちょっと気が進まないわ、、、」と言い
代わりに自らの子 邇邇芸命(ににぎのみこと)を推薦し、邇邇芸命が降ることになりました。
邇邇芸命は三種の神器(八尺の勾玉・鏡、草薙剣)を持ち、
天の宇受売(あめのうずめ)らと共に豊葦原の水穂の国に降って行きます。
メモ
豊葦原の瑞穂の国は葦原中国と同義だが、
前者は天照大御神の子孫の領有による予祝しているのに対し、後者は未発達国としての印象を与えています。
そんなとき高天の原と葦原中国までを照らす神がいた。天の宇受売は高御産巣日神に誰なのか聞いてこいと言われ、名を聞くと猿田彦神と名乗り、葦原中国までの道のりを案内するために現れたと言います。
猿田彦神の正体を明かした天の宇受売は猿田彦の名を与えられ、猿女君の祖先となりました。
自由なメモ
猿女君とは朝廷に仕え祭祀を執り行う氏族とされているが、そのような氏族に関する記述はなく、女官のことを指しているとも言われています。
さて、葦原中国に降り、天の宇受売は三重県の志摩へ向かいました。
そこで魚たちに対して「お供物の魚として仕えるか?」と問うと、
ほとんどの魚は「YES!!!」と答えたが、ただ1人それを拒否するものがいます。
それは''なまこ''です。
天の宇受売は剣で口を裂いてしまいました。
これが今でもなまこの口が裂けている理由と言われています。
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最後まで見ていただきありがとうございました。
残すところ、上巻はあと1部となりました。
次は海幸彦山幸彦のお話です。初代天皇のおじいちゃんが登場するかも!?!?
このままvol.6へどうぞ!!!