前回までのあらすじ
大国主神により葦原中国が統一されたころ、高天原では天照大御神らの勅命を受けて誰が葦原中国を治めるための交渉に行くかが会議されていました。
会議の末、天の菩比と天の若日子が派遣されましたが、どちらも役目を果たしませんでした。
そこで建御雷神を派遣し、交渉をまとめ、新しい統治者として天照大御神の孫の邇邇芸命を降らせました。
スポンサーリンク
邇邇芸命が結婚!ベイビー誕生
さて、葦原中国に降り立った邇邇芸命は大山津見神の子,木花之佐久夜比売(このはなさくやひめ)と結婚したいと考えました。
その旨を、木花之佐久夜比売が父に相談したところ、父は木花之佐久夜比売に加えて石長比売を差し出しました。
メモ
ちなみに木花之佐久夜比売はめっちゃかわいくて、石長比売は…あの、ちょっと。うん。わかってください。
そしたら当然、邇邇芸命は
「いやいやいや、そいつ誰やねん。木花之佐久夜比売だけでええわ」
と言いますよね。
すると、大山津見神は言いました。
「石長比売はかわいいとは思えないかもしれない。でも石のように不動なものを象徴しているんだ。木花之佐久夜比売はめっっっっっっちゃかわいいけど桜の花のように儚いものを象徴しているんだよ。」
(お父さんにもかわいくないって言われちゃう石長比売かわいそう、、)
メモ
木花之佐久夜比売は平安時代に作られたかぐや姫のモデルとなったと言われています。
こういうわけで天皇の命は限りあるものになったわけです。
これが神と天皇の決定的な差です。
(人生は太く短くです。しらんけど)
そんなこんなで、結婚した2人の間には子が宿ります。
しかし!!!邇邇芸命はこう思います。
俺たち、一晩しか寝てないぞ。ほんとに俺の子か???
こんなこと言ったらもちろん2人は大喧嘩です
木花之佐久夜比売は言いました
「もし神の御子なら火をつけた産屋の中でも無事に生まれるでしょう」
そして、無事に火照理、火須勢理を出産するのでした。
こわいこわい。
メモ
これも散々出てきた誓約(うけい)の一種です。詳しくはvol.3話ご覧ください
スポンサーリンク
海幸彦山幸彦
木花之佐久夜比売が燃えさかる産屋で産んだ火照命(ほでりのみこと)と火須勢理命(ほすせりのみこと)はそれぞれ釣りと狩りが得意で海幸彦、山幸彦と呼ばれていました。

頑なに拒否していた海幸彦ですが、何度も交渉するうちについに渋々OKを出します!!!
2人は道具を入れ替えて食材を取りに行くのですが成果はどうだったでしょうか。
結果発表〜〜(超大声)(ダウンタウン浜田雅功風)
お互いに成果は0!!
その上山幸彦は兄の大事な釣り針を魚に持っていかれてしまいます!!!

しかし激怒した兄は許してくれませんでした。

海辺で落ち込んでいると
「おい、そこの若者。どうしてそんなに落ち込んでいるんだ」
という声が聞こえます。
声の主は塩稚の神(しおつち)です。
メモ
塩稚の神は海の潮を掌握する神で波に乗って移動する。これに対して海の支配者である大綿津見神は動くことはありません。(このあと登場します)
かくかくしかじか訳を説明すると
塩稚の神は、海の底にある綿津見神の宮まで連れて行ってくれ、
また「着いたら木に登って様子を伺うといいよ」とアドバイスまでくれました!!
スポンサーリンク
豊玉比売との出会い

山幸彦が木に登って待っていると、豊玉比売(とよたまひめ)の召使がやってきました。
召使「うわ、なんか木の上にいるんだけど… こわっ、、、どうしよう。でも、イケメンだなぁ」
やっぱりどの時代の人もイケメンには弱い様子。
山幸彦は召使に水をくれと言いました。
言われた通りに水を渡すと、、、

口に宝玉を含み、水の中に吐き出したではありませんか。
(うえーーー、きったねええええ...)
そう思って中から宝玉を取り出そうとすると、、、
あらまぁなんと、宝玉が底に張り付いて取れません。
召使「なんか、この男ドヤ顔してるし…かなり恐怖を感じます、、、」
とりあえず、豊玉比売に相談することにしました。
豊玉比売は自ら門口に出て行き、山幸彦は宮に連れて行かれ結婚することになりました。
メモ
急展開すぎ…イケメンだったらなんでもいいんですか!!!!
3年間宮に留まった頃、山幸彦は大きなため息をつきました。
それを見た綿津見神は山幸彦に訳を尋ねると、

事情を知った綿津見神は魚を集めて釣り針を探してくれ、なんと釣り針が見つかりました!!
さて、見つかった釣り針を持って地上に戻ることになった山幸彦ですが、
綿津見神は山幸彦に①潮満玉②潮干玉を渡します。
①の潮満玉を用いると、洪水になり
②の潮干玉を用いると、水がサッと引きます。
そして地上へ

地上に帰った後も、山幸彦は兄に意地悪されてしまい、
もらった二つの道具を使うことで海幸彦は山幸彦に服従することになりました。
メモ
他界で結婚し結婚相手の父から呪力の象徴を得したる点、最終的に弟が勝利する点は
大国主神が須佐之男命の子 須勢理比売と結婚し、生太刀,生弓矢,天の沼琴を持ち帰った話と一致します。
この二つの話で異なる点は、大国主神の話では呪力の象徴が狩猟社会を、山幸彦の話では農耕社会を
表しているという点であり、日本の発展を表しています
こういうわけで兄を反省させ、自分に従えさせることができた時に
豊玉比売が地上にやってきて、妊娠していることを告白します。

産屋が完成し、出産のときが訪れました。
豊玉比売「私たちは子を産むときに本来の姿になって産みます。絶対に中を見ないでくださいね。」
で、でたーーーwwwwこのパターン多すぎます。鶴の恩返しだの、黄泉国だの日本人は「絶対に覗かないでください」パターン大好きですね。
みなさんがなにを期待しているか分かります。
どうせ覗き見ることを期待しているんでしょ?
はい。案の定覗きます笑
見られた豊玉比売は子 鸕鶿草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)を置いて帰ってしまいました。その後、妹 玉依比売(たまよりひめ)を派遣し、その子の面倒を見させることにしました。
成長した鸕鶿草葺不合尊は、なんと義母である玉依比売と結婚し、2人の間には初代神武天皇が産まれました。
これで古事記の上巻は終わりです。
最後まで見てくださりありがとうございました。
スポンサーリンク
この古事記解説シリーズを始めてからアクセス数が一気に増え非常に嬉しく、モチベーションが上がりました。
元々は自分の覚えたことををアウトプットするために始めたブログですが、みなさんが知りたいと思う内容でも書いてみたいと思うので、ぜひコメントで教えてください。