‘‘超‘‘現代語訳 古事記

古事記って面白い ”超”現代語訳 vol.10

ここまでのあらすじ

垂仁天皇は妻 沙本毘売さおびめらと戦闘し、戦いの最中に沙本毘売が産んだ子本牟都和気命ほむつわけのみこと を受け取ったのち、沙本毘売とは死別してしまった。

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本牟都和気命と大国主神

月日は流れ、本牟都和気命ほむつわけのみこと青年になりますが、この青年には一つ大きな問題がありました。
それはこれまで一度も言葉を発したことがないということです。

 

皆そのことを大変心配していましたが、

ある時 空高く飛ぶ白鳥を見て、少しではありますが声を発したのです。

 

垂仁天皇
本牟都和気命 ほむつわけのみことが声を発しただと!?!?!もう1度その白鳥を見せれば話すようになるかもしれない。

 

こう考えた垂仁天皇は、鷹狩のプロに依頼することにしました。

 

その鷹狩士は白鳥を追って全国を駆け回り、やっと捕らえることができましたが、それでも本牟都和気命
ほむつわけのみこと
は声を発することはありませんでした。

 

 

どうしたものかと垂仁天皇は困っていると、寝ているときに夢の中に神が現れます。

その神は

「私のいる社を修復してくれるなら皇子は声を発するだろう」

と言いましたが、名乗ることはせず、消えていってしまいました。

 

垂仁天皇
はっっ、今の夢は……。あの神はどこのなんという名前の神なんだろう。

どこの神か突き止めるために太占(ふとまに)の方法で、出雲の大社に鎮まる大国主神
おおくにぬしのかみ
であると特定し、またそこに派遣する人間は曙立の王あけたつのおおきみがよいだろうということになったのでした。

メモ

太占とは鹿の骨や亀の甲羅を焼き、ひびが入った方向で占うといいう方法


垂仁天皇
お前が曙立の王あけたつのおおきみか。そなたの力を確かめたい。誓約(うけい=宣言した通りの結果が現れるかどうかで吉凶を占う方法)をしてみてくれ。

 

曙立の王あけたつのおおきみは言いました。
「出雲の大社に行くことで皇子が声を発するようになるならば鷺(鳥)は地に落ちよ」
すると見事に鷺が地面に落ち死んでしまいました。

「生きよ」
鷺は見事に復活。

「木よ、枯れよ」
木は見事に枯れます。

「生きよ」
見事に復活しました。

 

垂仁天皇
なるほど、これには感心した。見事な力だ。ぜひ君に本牟都和気命ほむつわけのみことのお供をしてもらいたい。

そんなわけで、曙立の王あけたつのおおきみとその弟を皇子に付添わせることに決まったのでした。

 

また、ルートについては太占によって京都と大阪へ向かうのは不吉であるとされ、和歌山を経由するルートを使うことになりました。

 

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さて一行は出雲に近づき、泊まっているときに
急に本牟都和気命ほむつわけのみこと
「あの山は、ただの山に見えてそうではない。もしかして大国主神おおくにぬしのかみの鎮座する祭場ではないか」

と声を出したのです。

これには付添い達も ついでに古事記を読んでいた私もびっくり。
(初めて話す言葉なのにめちゃめちゃしゃべるやーーん。)

 

急いで垂仁天皇のもとに遣いを派遣しました。

さて口を開いた本牟都和気命ほんだわけのみこと肥長比売ひながひめと一晩を共にすることになりましたが、
夜中にふと目が覚め、横を見ると肥長比売は蛇に姿を変えていたのです。

 

これに驚いた本牟都和気命ほんだわけのみことは慌てて船を出しました。

一方、肥長比売ひながひめも船を出し本牟都和気命を追いかけますが、

これによりますます怖がらせてしまい本牟都和気命は大和まで逃げ帰るのでした。

 

 

垂仁天皇
本牟都和気命よ、よく帰ってきた。そなたが言葉を発するようになって私は本当に満足しているぞ
垂仁天皇
 菟上うなかみの王よ、あなたは再び出雲に向かい社殿を修復してきてください。

 

本牟都和気命ほんだわけのみことが話をできるようになり ひと段落です。

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垂仁天皇の后探し

あっ、そういえば沙本毘売さおびめはこう言っていました。

沙本毘売
私の姪の2柱の女を后にするのがよいでしょう

ということで后探しをスタート。

 

候補として
氷羽州比売命ひばすひめのみこと弟比売命おとひめのみこと歌凝比売命うたこりひめのみこと円野比売命まとのひめのみことの4姉妹が連れてこられました。
このうち上2人は超美人、下二人はブサイクでした。

垂仁天皇
当然、上二人は欲しいけど、下二人はねぇ…

 

垂仁天皇は上二人を選び、下二人は家に返すことにしました。

 

 

すると、返されてしまった歌凝比売命、円野比売命はこう考えます。
(このまま帰ったら知り合いに馬鹿にされてしまう…)

 

これを恥じた円野比売命は木に縄をかけて首を吊ろうとしました。

首吊りには失敗しましたが、弟国と呼ばれた地に着いたときに崖から飛び降りて死んでしまいました。

美人とブサイクがいて、ブサイクだけは返されるというお話、どこかで聞き覚えありませんか??? うんうんうん、そうです!!! 木花之佐久夜毘売命このはなさくやひめのみこと石長比売命いわながひめのみことのお話です。 この時は返されてしまった石長比売命は邇邇芸命ににぎののみことを呪い、 今回のお話では円野比売命まとのひめのみことは知人への面目から自殺をしています。 今回のお話のほうが現代の人間的な行動に近いことが描かれていますね。

木花之佐久夜毘売命と石長比売命のお話は
古事記って面白い! 神話のハナシ vol.5
をご覧くださいね

 

垂仁天皇
后も見つかったことだし、次は常世の国にある 四季を通じて輝く木の実(=不老不死の実)をとってこよう。多遅摩毛理たじまもり行ってきてくれ。

この木は古事記がつくられた時代の橘、現代でいう橙という柑橘類の木で、今でも正月に飾られます。

 

多遅摩毛理はやっとその実を見つけ持って帰ろうとしましたが、そのまえに垂仁天皇は153歳で崩御してしまいました。

 

そこで半分を后である氷羽州比売命ひばすひめのみことに、半分を天皇の御陵に供えますが、

御陵の前で多遅摩毛理たじまもりが「木の実を持って帰りましたーーーー」と叫ぶと

次の瞬間 多遅摩毛理も死んでしまいました。

 

その後、垂仁天皇と氷羽州比売命の間に生まれた大帯日子淤斯呂和気命おおたらしひこおしろわけが景行天皇として即位しました。

垂仁天皇と沙本毘売の間に生まれた本牟都和気命ではないことに注意が必要です。

 

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