豆知識

【神主が教える】大祓詞の覚え方は?大祓詞全文の訳と意味を徹底解説!!

たむ
神道で最も重要な言葉には何があるでしょうか???
こま君
心身の清浄だワン!
たむ
正解!清浄を重要視する神道において重要な大祓というものがあるよ。 今回は大祓について詳しく説明していくよ!!

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大祓の由来

大祓とは日々の生活でついた穢れを年2回(6月末と12月末)祓い清めるために行います。

これは黄泉の国から帰った伊邪那岐命が筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原(現在の九州か?)で穢れを落としたことに由来します。

たむ
古事記ではこの時に左目から天照大御神、右目から月読命、鼻から須佐之男命が生まれたんだよね!

大祓の歴史は古く、古事記の記述では

神功皇后が神懸りし、「海の向こうにある朝鮮の地に向かえ」との神託を受けた際、これに反抗した第14代仲哀天皇が崩御したときにも行われたとされており、古代から国家祭祀として行われていたことが伺えます。

その時の文章を引用しておきます。(読みづらいので飛ばしてくださって結構です)

更に国の大奴佐おおぬさを取りて、生剝いきはぎ(生きたまま動物の皮を剥ぐこと)、逆剝さかはぎ(異常な皮の剥ぎ方をすること)、あ離ち(田をこわすこと)、溝埋みぞうめ(水路を埋めること)、屎戸くそへ(祭場に大便をすること)、上通下通婚おやこたはけ(親子の姦淫)、馬婚うまたはけ牛婚うしたはけ鶏婚とりたはけ犬婚いぬたはけ(獣姦)の罪を列挙して、国の大祓して・・・

 

大祓の意味

祓という字は通常「はらい」と読むことが多いですが、大祓と書いた場合は「おおはらえ」と読むことが多いです。

単に祓というのではなく「大」という文字を加えているのには「大」とはという意味を持っており、社会全体のための行事として行われていたからです。記紀などの歴史書にも国家祭祀として大祓が行われていたことが記述されており、全国の神社で行われているのも社会全体の安寧に奉仕するためとも言えます。

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大祓詞とは:全文と訳と解説

たむ
ここから少しレベルアップしていって大祓詞の紹介と現代語訳・解説に進んでいきます。

大祓詞は中臣の祓詞とも呼ばれますが、なぜこのように呼ばれるかというと、

日本書紀において中臣氏の祖神である天児屋命が、天照大神が天の岩戸から出られた際、岩戸隠れの原因をつくった須佐之男命の罪を祓うために「解除の太諄辞」を宣らせたとされているからです。

古代では大祓当日の午前には内裏で天皇・皇后・皇太子の穢れが落とされ、午後には朱雀門で親王や民衆の前で中臣氏が大祓詞を読み、罪を払われました。

 

かつては伊勢流、吉田流、白川流など流派によって相違がありましたが、明治以降に統一されて現在の形に至っています。

最後に大祓で実際に唱えられている大祓詞を紹介して終わりたいと思います。

 

たむ
四つのパートに分類して紹介します。本文と現代語訳の後に解説と覚え方の手助けも行うのでぜひ最後までご覧ください!

仮名交じり文

第一段

  1. 高天たかまはら神留かむづまりますすめらむつ神漏岐かむろぎ神漏美かむろみ命以みこともちて
  2. 八百万やほよろづ神等かみたち神集かむつどへにつどたま神議かむはかりにはかたまひて
  3. 皇御孫すめみまみこと豊葦原とよあしはら瑞穂みづほくに安国やすくにたひらけくろしせと言依ことよさしまつりき、
  4. さしまつりし国内くぬちあらぶるかみたちをば
  5. 神問かむとはしにはしたま神掃かむはらひにはらたまひて
  6. 語問こととひし磐根いはね樹根立きねたくさ片葉かきはをも語止ことやめて
  7. あめ磐座放いはくらはなあめ八重雲やへぐもいづ道分ちわきに道分ちわきて
  8. 天降あまくださしまつりき。

現代語訳

  1. 高天の原にいらっしゃる男女の神のお言葉によって、
  2. 八百万の神が集められ、会議を行い
  3. 瓊瓊杵尊は豊葦原の瑞穂国(この世界)を平和に治めなさいとおっしゃった。
  4. 荒ぶる神は
  5. 次々に問い正され、次々に掃いのけられ
  6. 騒がしかった草木も ものを言うことをやめさせて、
  7. 天上の御座所を後にし、空の多くの雲を掻き分けて
  8. 天上からこの世界に降臨なさった。

第二段

  1. さしまつりし四方よも国中くになか大倭日高見おほやまとひだかみくに安国やすくにさだまつりて
  2. した磐根いはね宮柱太敷みやばしらふとし高天たかまはら千木高構ちぎたかしりて
  3. 皇御孫すめみまみことみづ御殿仕みあらかつかまつりて
  4. あめ御陰みかげ御陰みかげかくして安国やすくにたひらけくろしさむ
  5. 国内くぬちでむあめ益人等ますひとらあやまをかしけむは
  6. 種々くさぐさ罪事つみごとあまつみくに罪幾許つみここだくの罪出つみいでむ。

現代語訳

  1. 地上の国の中心として大和の国を定められ
  2. 地下の大きな岩に太い柱を立てて 高天の原に向かって
  3. 瓊瓊杵尊の宮殿をお造り申し上げ
  4. 瓊瓊杵尊はここに住み、平和な国としてお治めになった。
  5. 国の中に生まれてくる人間が 過ち犯す罪には
  6. 天つ罪や国つ罪などの多くの罪が出てくるだろう

第三段

  1. でばあま宮事以みやごともちて
  2. あま金木かなぎもとうちすゑうちちて
  3. 千座ちくらくららはして
  4. あま菅麻すがそ本刈もとか末刈すゑかりて八針やはりきて
  5. あま祝詞のりと太祝詞言ふとのりとごとれ。
  6. らばあまかみあめ磐門いはとひらきて
  7. あめ八重雲やへぐもいづ道分ちわきに道分ちわきてこしさむ。
  8. くにかみ高山たかやますゑ低山ひきやますゑのぼして
  9. 高山たかやま伊褒理いぼり低山ひきやま伊褒理いぼりけてこしさむ。

現代語訳

  1. このように多くの罪が出てくれば 天から伝わった儀式に従って
  2. 金属のように硬い木を切り 根本を打ち断って
  3. 台の上に置いて
  4. 管(すげ)の根元を刈りとり 根本を刈りとり 細かく裂いて
  5. 天の立派な祝詞を読みなさい
  6. このように祝詞を奏上すれば、天つ神は天の岩戸の扉を開けて
  7. 幾重にも重なる雲を掻き分けて お聞きになるでしょう
  8. 国つ神も高い山や低い山の頂上に登って
  9. 雲を掻き分けて お聞きになるでしょう

第四段

  1. こししてばつみといふつみはあらじと
  2. かぜあめ八重雲やへぐもはなつことのごとく
  3. あした御霧みぎりゆふべ御霧みぎり朝風あさかぜタ風ゆふかぜはらふことのごとく
  4. 大津辺おほつべ大船おほふね舳解へとはな艦解ともとはなちて
  5. 大海原おほうなばらはなつことのごとく
  6. 彼方をちかた繁木しげきもと焼鎌やきがま利鎌以とがまもちてはらふことのごとく
  7. のこつみはあらじと
  8. はらたまきよたまふことを
  9. 高山たかやますゑ低山ひきやますゑより さくなだりにたぎ
  10. 速川はやかは瀬織津比売せおりつひめといふかみ
  11. 大海原おほうなばらでなむ。
  12. なば荒潮あらしほしほ八百道やほぢ八潮道やしほぢしほ八百会やほあひ速開都比売はやあきつひめといふかみ
  13. ちかかみてむ。
  14. くかかみてば息吹いぶ気吹戸主いぶきどぬしといふかみくにそこくに息吹いぶはなちてむ。
  15. 息吹いぶはなちてばくにそこくに速流離比売はやさすらひめといふかみ
  16. 流離さすらうしなひてむ。
  17. 流離さすらうしなひてばつみといふつみはあらじとはらたまきよたまふことをあまかみくにかみ八百万やほよろづかみたちともこしせとまをす。

現代語訳

  1. これを神々がお聞きになったならば 罪という罪はなくなり
  2. その様子は風が幾重にも重なる雲を吹き飛ばすようで
  3. 朝の霧も夕方の霧も 朝の風、夕の風が吹き飛ばすようで
  4. 大きい港に居る船を解き放って
  5. 大海原へ押し放つようで
  6. 遠く向こうの茂った草木を焼き入れをした鋭利な鎌で刈りとるように
  7. 残る罪はなくなるでしょう
  8. このように祓い清めた罪は
  9. 高い山や低い山の頂上から 流れ落ちる
  10. 流れの速い川にいらっしゃる瀬織津比売(せおりつひめ)という神が
  11. 大海原までもっていくだろう
  12. そして激しい沢山の潮流が渦をなしているところにいらっしゃる速開津比売(はやあきつひめ)という神が
  13. 飲み込むだろう
  14. それを息として吹き出すとことにいらっしゃる 気吹戸主(いぶきどぬし)という神が 根の国・底の国に吹き放つと
  15. 根の国・底の国にいらっしゃる速流離比売(はやさすらひめ)という神が
  16. それをすっかりなくしてしまうだろう。
  17. このように罪や穢れを祓い清めていただきますことを、謹んでお祈り申し上げます。

 

解説

第一段

この段落では「八百万やほよろづ神等かみたち神集かむつどへにつどたま神議かむはかりにはかたまひて」としているところがポイントです。

もともと伊弉諾尊・伊弉冉尊がこの世界を創った後、天照大神ら三貴子をお産みになった後もそれぞれ高天の原・夜の国・海原を治めさせており、この世界の統治者を決めることはしませんでした。

そこで高天原で多くの天つ神が会議をすることで、この世界の統治者を決定しようとするわけですが、「集へに集へ給へ」、「議りに議り給ひて」と同じ言葉を重ねること何度も何度も検討を重ねたことが示されているのです。

次に豊葦原の瑞穂の国八百万神が目指した安国とはどのような国なのか。豊葦原の瑞穂の国とは葦の穂の豊かにめでたく生いしげる国すなわち稲が豊かに実り栄える国という意味です。

神漏岐命・神漏美命はこの国を稲が豊かに実る国にしましたがそれだけでは十分ではないということです。ではそれ以上にどのようなことを高天原の神々は望んでおられるのかというと、罪や穢れがなく平和で安泰な国でしょう。生活が豊かになるとするべきことをおろそかにしてしまうのは現代人も古代の人も同じです。与えられた生活にあぐらをかくのではなく、秩序を保って生活することで豊葦原の瑞穂の国をさらに反映させていくことが必要なのです。

 

第二段

さしまつりし四方よも国中くになか大倭日高見おほやまとひだかみくに安国やすくにさだまつりて」という部分では皇御孫命が安国としたのは「四方の国中」とあるが、これは御皇孫命が安国とできたのは皇御孫命がいらっしゃる国がけであって、そのほかの部分は未だに荒ぶる神々がはびこっていたということを示します。

皇御孫命の力では豊葦原の瑞穂の国すべてを安国とすることができないため、民が協力し合うことが重要ということです。事実、神武天皇の東征以降、数代にわたっても国土すべてを統治することは叶わず日本は荒れた状態が続きました。これも我が国の安寧のためには社会の清浄、さらには社会の構成員である私たちの清浄と協力が必要であるということを示すものです。

また、スサノオが高天の原で罪を起こしたように神も罪を犯しうるのであるから、我々人間が罪を犯してしまうのも当然であるともいえます。

したがって、天つ罪・国つ罪といったすべての罪を反省し生かしていくことが最も重要であると言えるのです。

 

第三段・第四段

この段には罪・穢れが払われる方法について述べられており、「あま祝詞のりと太祝詞言ふとのりとごとれ」というのは天の立派な祝詞を奉れということです。

さきほども述べたように、神であっても罪を起こしてしまうのだから人間が罪を犯してしまうのも当然であると言えます。

しかし、それらの罪を放置しておけば安国を作り上げることはできません。そこで天津祝詞奏上し、八百万の神にお願い申し上げればすべての罪を祓い清めてくださるということです。

 

 

大祓詞の覚え方

大祓詞はご覧の通り長く覚えることは難しいように思うかもしれません。

実際、覚えようとしてみると非常に苦しいです...(笑)

 

たむ
しかしポイントを押さえれば少しは楽に覚えることができるかもしれません。

ポイントの1つ目

大祓詞は単なる文章の羅列ではなく物語になっています。文章を長々と覚えようとするのではなく、1つの物語として暗唱することが重要です。多くの場合は大祓詞を上記のように4つの場面に分けることが多いです。また、吉田神道では大祓詞を12個の場面に分けて考えています。(たとえば1場面目は1段落目1~3)

さらに、解説を読むことでより大祓詞が言わんとすることを理解しやすくなります。以上のように考えることで、物語のイメージをつかみやすくなるのでお勧めです。

 

ポイントの2つ目

何度も何度も唱えることが重要です。

大祓詞は6月と12月の末に唱えるものと思われがちですが、伊勢の神宮では祈年祭や神嘗祭、新嘗祭などの神事の前月にも必ず大祓が行われており、一年中唱えることのできるものです。

また、罪・穢れは知らず知らずのうちに身に着けてしまうものです。年に2回なんて言わずに、いつでも何度でも大祓詞を唱えることで自身を見つめ直し、心身を清浄に保つことが自分自身のため、さらには社会全体のためにもつながっていくと思います。

 

 

たむ
ぜひ大祓に参加してみてね!

 

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