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初宮参りの意外な傾向 意味や行う時期を解説

私たちは生きていく中で様々な人生儀礼を経験します。その中で最も初めに迎えるものが初宮詣りです。

私は初宮参りというのは神社にとっても参拝者にとっても最も興味深い行事の一つだと考えています。今回はその理由と初宮詣りの詳細について説明していこうと思います。

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もともとの初宮詣りの意味

歴史は古く室町時代には足利将軍家で行われていたとの記録が残されており、現在まで風化することなく続けられています。

現在では初宮詣りの意味を詳しく理解せずに行っているという人も多いでしょうが、

もともとは生まれた土地の産土神に子供の成長を感謝することで存在を認めてもらい、これからの成長を祈ることを目的として行われていました。

また、地域のコミュニティの場としての役割を果たしてきた神社に参拝することは氏子集団に認められることを意味し、社会的に1人の人として認識してもらうために行われていたとも言えます。

 

初宮詣りを生後1ヶ月のタイミングで行う理由

初宮参りは男子は生後32日目女子は生後33日目に行うとされています。

なぜこのような風習があるカというと出産はケガレであると理解されているからです。

今でこそ出産に伴う母子の死亡率はたいへん低くなっていますが、医療の発達していない時代では命の危険を伴う行為で、江戸時代ごろでも乳児死亡率は20%前後もあったと言われています。

ケガレの語源は「気+枯れ」とされており、神道では死や出産による気枯れを不浄を嫌う考えがあります。産後一か月は忌み期間として神社参りを控え、忌みが明けてから神様に挨拶に伺うということになっているのです。

現在では産後一か月を目途に、母子の体調と家族の予定を考慮して日程を決めるのが一般的ですね。

初宮詣りを行う意味の変容

もともとは社会から認めてもらうということを目的の一つとしてきた初宮詣りですが、時代の変容と共に社会からの認識の場は神社から病院や保健所に移りました。

かつては忌明けの神社参拝を終えて、日常の生活に戻るということが行われてきましたが、現代では病院で母子の体調に異常がないことを確認し日常生活に戻るということが一般的です。

また、定住者の減少により氏子意識は希薄化し、自分の住む地域の神社ではなく有名な、もしくはアクセスのいい神社を初宮参り先として選択するようになっています。これにより氏子集団に認められるためという目的が無くなっていると考えられます。

 

初宮詣りの意外な傾向

初宮詣りの実施率について現在の祖父母世代より父母世代の方が高いというデータがあります。神社に対する意識が希薄化しているという潮流の中、これは時代と逆行した非常に興味深いものです。

また、定住者の減少により都市部では氏神意識の低下を原因とした神社への意識低下が問題とされていますが、定住者が多い地域よりそうでない都市部の実施率が高いというデータもあります。

理由としては情報社会化により結婚や子育てに関する商品がが多く登場し、雑誌やWebサイトでの特集が増えたことで家族で写真撮影を行うという楽しいイベントとして注目されるようになったということが挙げられるのではないかと考えます。

 

ここからは神社に携わる方へのお話になりますが、初宮詣りというのは神社への意識が低迷しつつある現代でも高い実施率を維持しています。私は神社の存在の認知や地位の向上のきっかけとして初宮詣りはたいへん重要な意味を持つと考えます。

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