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【神道指令とは】なぜGHQ(CIE)は神道指令を発出したのか 全文を要約してわかりやすく解説

神道指令は昭和20年の終戦を迎え、GHQによって発出されました。

神道指令によって戦後の日本の政治体制及び神社のあり方は大きく変わったと言えます。

たむ
今回は神道指令とは何だったのか、発出・起草された経緯について説明していきます。

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GHQのCIEという機関が神道指令発出に関わった

神道指令の起草に関わった機関はCIE(民間情報教育局)です。

CIEは昭和20年9月22日に設置され、職務は最高司令官に対して日本に対する公的情報・教育・宗教について助言する機関です。

CIE中は計画・運営課、教育・宗教課、新聞・出版課、ラジオ・映画・視覚メディア課、写真・美術課

という6つの部署で構成されており、神道指令に関わったのは教育・宗教課です。

 

教育・宗教課の宗教班を指揮したのはオハイオ州出身のアメリカ海軍の軍人であったW・K・バンスという人物で、昭和11年から14年まで旧制松山高校で教壇に立った後に帰国し、終戦の年にGHQのスタッフとして来日した人物です。

松山高校で教鞭をとったことや義父は同志社大学教授、妻も日本で育ったことから日本語は理解することができました。しかし、日本の宗教については専門外であったため前田多聞文相の依頼によってバンスに岸本英雄東京大学文学部助教授やD・C・ホルトムから宗教について学び、日本の宗教についての理解を深め神道指令を起草していくことになります。

岸本英雄は姉崎正治という宗教学の権威に師事した人物で、バンスに講義を行った当時について「嵐の中の神社神道」『戦後の宗教と社会』で語っています。

D・C・ホルトムは戦前に神道の研究を行っていた非常に珍しい研究者で天皇は日本国民の中心的存在であるため戦後処理に大きな役割を果たすと主張していました。

 

世界やGHQからの日本の国家神道に対するイメージ

当時のGHQが日本の国家神道をどのように評価していたかについて「嵐の中の神社神道」に記されています。

今回はその一部を抜粋して紹介します。

「国家神道というものこそ日本人を狂信的な戦闘に駆り立てる魔術の種に相違ないという判断が下されていた」

「国家神道を偏狭な国家主義思想に凝り固まったきわめて先導的な宗教であるとみなすことが世界の強い一般的な世論」

「軍隊だけを解体しても国家神道をそのままにしておけばいつの日にか日本には軍国主義が復活して連合国に対して復讐の刃を研ぐようになるだろう」

ここから見て取れるように世界は国家神道を過大評価し、軍隊の解体と同等の根本政策としていたのです。

 

神道指令によって国家神道だけでなく神社神道が弾圧されたのはGHQの誤解が原因か

我が国では古代から政治と祭祀は一体のものとして行われてきました。しかしながら、神道指令によって国家と祭祀はほとんどの部分が分離させられ今日のような状況に至っており、神道指令は日本という国のあり方を変えた非常に大きなターニングポイントだったと言えます。

現代では政教分離という言葉が用いられます。多くの国が政教分離原則を採用し、ご存じの通り我が国も厳格にこの原則を守っています。

しかしながら、我が国にGHQを送り込んだアメリカですら大統領就任式では聖書の上に手をかざして宣誓しますし、イースターにはホワイトハウスが解放されて様々なイベントが行われます。

古代から政治と一体であった神道を完全に切り離すことは本来不可能なはずなのです。

このように日本にとって重要な役割を果たしてきた神道を政治と切り離すことになったのには以下のようなGHQの勘違いが関係しています。

神社神道と国家神道を同様のものと考えていた

例 神職はすべて国家神道を擁護する立場にある

神社はすべて国家によって管理運営されている

GHQは神社神道と国家神道を混同していましたが各地方の神社と国家には繋がりがないことがほとんどです。

どういうことかというと、官国幣社と言われる国や地方から給付金を受ける神社はごくわずかで、その額も十分な額とは言えない程度でした。

つまりGHQは官国幣社と諸社の違いを理解せず、すべての日本人が国家神道の信奉者であると理解していたということです。

 

教育の四大指令の一部である神道指令の正式名称とその内容

神道指令は正式名称を「国家神道、神社神道ニ対スル政府ノ保証、支援、保全、監督並ニ弘布ノ廃止ニ関スル件」といい、教育の四大指令というGHQの施策のうちのひとつです。

日本教育制度に対する管理対策

教員及び教育関係官の調査、除外、認可に関する件

神道指令(国家神道、神社神道ニ対スル政府ノ保証、支援、保全、監督並ニ弘布ノ廃止ニ関スル件)

修身・日本歴史及び地理停止に関する件

神道指令の内容 抜粋

(イ)国及び地方公共団体による神道・神社への保証、支援、保全、監督、弘布の禁止

(ロ)神社への公的な財政的支援の禁止

(ハ)神道の教義や軍国主義的的、国家主義的イデオロギーの宣布の禁止

(二)神宮その他の神社に関する法令の撤廃

(ホ)神祇院の廃止

(へ)公の機関による神職の養成の禁止

(ト)私立大学での神職養成は可能

(チ)(1)教科書に神道の教義を掲載すること(2)公の機関の神社参拝等の神道に関する儀式の禁止

(リ)「国体の本義」「臣民の道」等の神道に関する訓令の頒布の禁止

(ヌ)公の文書にて大東亜戦争や八紘一宇など国家神道や軍国主義を想起させる用語の使用の禁止

(ル)公の機関に国家神道の象徴となる物の設置の禁止

(イ)神道指令の目的は宗教と国家を分離することにある。神道のみならずあらゆる宗教の信奉者も政府と特別の関係を持つことを禁止し、軍国主義的なイデオロギーの宣伝を禁止する。

(ロ)神道指令は神道に関するあらゆるものに適用される

(ハ)神道指令で用いられる国家神道という用語は神社神道という非宗教的で国家的な祭祀として知られている神道の一派を指すものである。

(二)教派神道とは一般民間及び法令において認められてきた十三派を指す

(ホ)(1)教派神道はほかの神道と同様の保護を受ける(2)神社神道は国家から分離された後、一宗教として認められほかの宗教と同様の保護を受ける

(へ)軍国主義的・国家主義的イデオロギーとは(1)天皇は特別な起源から他国の元首より優れているとする主義(2)日本国民は特別な起源から他国の国民より優れているとする主義(3)日本の国土は神につくられたものであり他国より優れているとする主義(4)その他国民を欺き侵略戦争に駆り出させ武力行使を行わせる主義 をいう。

日本政府は1946年3月15日までに神道指令によって実施された措置について報告しなければならない

日本政府、地方、国民及び日本国内在住者は神道指令の文言・精神の順守について個人的責任を負う。

それぞれ詳しい内容については文科省のWebサイトで確認できますので、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

 

 

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