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【神社とは】神社・神宮・大社など社号の違いがあるのはなぜか「神社という言葉の意味・由来について」

全国には8万以上の神社が存在しているといわれていますが、その中には神宮や宮、大社のように特別の社号を用いて呼称されている神社があります。今回は神社と言う語の意味・由来と社号の違いについて紹介していきます。

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神社とはもともと杜(森)を意味する言葉

社号について説明する前に社や神社という言葉の意味・由来について確認します。万葉集という日本最古の和歌集では「モリ」に関する歌がいくつかありますが、そのうちのほとんどが木が茂っている場所としての「モリ」ではなく、神域としての「モリ」を指しています。

以下、社や神社を「モリ」と読ませている例を紹介します。

(巻二 二〇二番)

泣沢の 神社もり神酒みわ据ゑ 祈れども 我が大君は 高日知らしぬ

(巻七 一三七八番)

木綿ゆう懸けて いはふこのもり 越えぬべく 思ほゆるかも 恋の繁きに

これは日本の神道の信仰は神籬や磐境と呼ばれる自然物を対象に行われていたことの名残りで、時代の変遷と共に臨時の祭場ではなく常設の祭場が主流になっていきましたが、神社をモリと呼ぶ習慣は現在まで残っており、現在頻繁に用いられるようになってきている鎮守の森という言葉も神社において神域としての森が重視されていることの表しています。

自然物に対する祭祀については様々な神社で大きな岩や木が信仰の対象となっている点からもうかがえますが、古代において自然に対する信仰と祭祀が行われていた有名な例には大神神社や宗像大社があります。

大神神社では日本最古の神社とも言われており、現在でも本殿を持たず三輪山を拝する形式で拝殿がつくられています。また、御神体である三輪山にはいくつかの磐座など古代祭祀の遺構が残されています。宗像大社も記紀に登場する非常に由緒の深い神社で、沖津宮の鎮座する沖の島にはいくつかの古代祭場の後と祭祀遺物が出土しています。

以上のことから「モリ」とは木々の茂る神格化された空間を指しており、神社の本質とは神格化された土地そのものであると理解することができます。

ちなみに『万葉集』(巻二 二〇二番)の歌については神酒をどのように読むかという注目ポイントもありますので、理解を深めたい方はこちらのページで確認していただくことをオススメします。

社号には神宮・大社・神社・社などがある

社号とは神社に用いられる称号のことで、神宮・宮・大社・神社・社の他にもいくつもの種類がありますが、今回は代表的なものを紹介します。

神宮とは皇室に所縁のある神々を祀り、朝廷より神宮号を下賜された神社

まずは神宮号を用いる神社を挙げます。

神社名 御祭神 神社名 御祭神
神宮 天照大御神 橿原神宮 神武天皇
熱田神宮 草薙剣(天照大御神) 宮崎神宮 神武天皇
伊弉諾神宮 伊弉諾尊・伊弉冉尊 平安神宮 桓武天皇・孝明天皇
鹿児島神宮 彦穂々出見尊 北海道神宮 明治天皇(相殿神)
鵜戸神宮 鸕鶿葺不合尊 赤間神宮 安徳天皇
英彦山神宮 天忍穂耳尊 白峯神宮 崇徳天皇・淳仁天皇
霧島神宮 瓊瓊杵尊 宇佐神宮 応神天皇
日前神宮・國懸神宮 日像鏡・日矛鏡 近江神宮 天智天皇
鹿島神宮 武甕槌神 吉野神宮 後醍醐天皇
香取神宮 経津主神 水無瀬神宮 後鳥羽天皇・土御門天皇・順徳天皇
石上神宮 布都御魂 新日吉神宮 後白河天皇
吉野神宮 後醍醐天皇
明治神宮 明治天皇
気比神宮 仲哀天皇(相殿神)

以上が神宮号を用いる神社のまとめです。左側を皇室に所縁のある神々を祀る神社、右側を天皇を祀る神社に分けてみました。

『日本書紀』において神宮と称される神社は伊勢の神宮・石上神宮・出雲大神宮。

『延喜式神名帳』においては神宮と称される神社は大神宮(伊勢の神宮)・鹿島神宮・香取神宮です。

明治以降の国家管理体制により神宮号を用いることのできる神社は天皇から神宮号を下賜された神社に限られ、戦後はそれ以前よりも縛りが緩くなったものの新たに神宮号を用いたのは神社本庁下の北海道神宮、伊弉諾神宮、英彦山神宮の3社と単立の新日吉神宮のみです。

以上、神宮という社号は皇室やその祖神に関する神社に用いられるということを紹介しました。

ここで補足して行わればならないのは、三重県に鎮座する伊勢神宮というのは正式な名称ではなく、正式名称は「神宮」ということです。神職はほとんどの場合、伊勢の神宮と呼ぶことで他の神宮号を用いる神社と区別しています。伊勢の神宮の場合は神宮号を用いているというわけではありませんが、今回は便宜的に神宮号を有する神社として紹介しました。

 

宮とは伊勢の神宮の別宮や皇室に関わる神社、その他特別の由緒がある神社

伊勢の神宮には荒祭宮・月読宮・月読荒御魂宮・伊佐奈岐宮・伊佐奈弥宮・瀧原宮。瀧原並宮・伊雑宮・風日祈宮・倭姫宮・多賀宮・土宮・月夜見宮・風宮という14か所の別宮がありこれらは古来から宮号を用いています。

一般神社では香椎宮、筥崎宮など天皇を祀る神社に用いられていました。また、現在の天満宮など皇室に関係しない神を祀る神社では宮号を避けて神社号を用いることがありましたが、現在では皇室と直接的に関係のない神社でも特別の由緒があれば宮を用いています。

 

大社は主に旧官幣大社・国幣大社に用いられる

もともと大社号を用いていたのは杵築大社(出雲大社)と熊野大社の2社しかありませんでした。

しかし、戦後の社格制度廃止に伴い旧官幣大社・国幣大社とされていた神社において神社号を大社に改める例が増加し現在では24社が大社号を用いています。

 

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